ヨスガノソラ

妹というのは数ある属性の中でも有名であり、大規模な勢力と言って良いだろうと思う。
しかし、本当に妹と呼べるキャラクターの数は多くないのではないだろうか?
そのほとんどは幼馴染であったり、義妹だったりとした所謂「偽妹」で占められている。
そんな中、この作品は双子の実妹が正ヒロインと言う素晴らしい妹ゲーなのだ。


ストーリは両親が事故で死んでしまった為、
昔は夏休みに遊びに行っていた祖父が住んでいた田舎に引っ越して二人だけで暮らして行く事になった兄妹が云々。
ルートは5個。
幼馴染の近所のお姉さん、同級生巫女、お嬢様、見習いメイド、妹。
メインである妹である穹ルートには他ルートを一人クリアしなければならない。
ここからも正ヒロインであることが伺える。
システム的には特に可も無く不可も無くだが、ルート分岐をするための選択肢が全部で5個くらいしかない。
ADVは結局のところ選択肢を選ぶだけで後は物語を読むだけのゲームではあるが、ここまで選択肢が少ないのは久しぶりな気がした。
個人的には簡単にコンプできるので嫌いではないが、ちょっと寂しいと感じる気持ちになる人も居そう。
男キャラが一人というのも少し寂しいかもしれないが、これはこの作品の登場人物が少ないのでそこまで気にはならない。
しかし親友ポジションである男キャラがちょっとうざい・・・悪い奴ではないのだが・・・


全体的な内容としては普通という感じだが妹属性持ちはやって損はないだろう。
世話を焼いてくれるタイプではなく、ツンデレとは言わないがちょっと冷たい態度だが実際は完全に兄に依存している。
兄である主人公も文句を言いながら大切にしているという感じ。
体が弱かったため二人きりになる前から兄に依存していて、兄に近づく女には警戒をかかさない。
特に幼馴染のお姉さんである奈緒ルートでは敵愾心MAXで果敢に攻める。
穹ルートではそんな想いが成就したために完全にデレてしまってこれがまた可愛い。
まぁ、近親相姦に悩むという穹ルートでは主人公がちょっとヘタれてしまいかなり追い込まれてしまったりするのだが・・・


俺は妹属性持ちなわけだが、妹だったら何でも良いのかというとちょっと違う。
まず、実、義に関わらず昔から一緒に住んでいたという絆がとても大切だと思うし、
そして兄妹という関係を大事にしているというのも重要だと思っている。
ここら辺は幼馴染にも通じるものがあるが、やはり一緒にいた時間という要素は重みがある。
そのためボーイミーツガールでポッと出のヒロインが正ヒロインだと少し悲しい気持ちになるものだ。
そういう好き嫌いがあるため、ちょっと前に実妹ゲーとして評価の高かった「あかね色に染まる坂」は、はっきり言って俺には向かなかった。
なぜかと言うとあの作品の兄妹の関係はずっと離れて暮らしていてお互いを認識していなかったという中途半端な物だったからだ。
さらに兄は最初から妹を性的な目で見ている、あんなので妹ゲーとして評価が高いというのが個人的には信じられない。
妹ゲーには家族との関係性というのも重要な要素なのだ、ちなみにあかね色は親父もむかつく。
そこら辺をヨスガノソラはクリアしていると言って良いだろう。
昔から兄に守られていた妹、妹をとても大切にする兄、兄以外は要らない妹、今はもう二人っきりの兄妹。
これだけ揃えば妹ゲーとしては素晴らしいと言うしか無いだろう。
ちなみに双子という設定なので髪の毛の色も一緒だし、美少女の妹の兄なので当然主人公はイケメン設定である。
やはり実妹ゲーは良いものだ・・・数が少ないのが残念でならない・・・