東方に触らない5つの理由

ある日、IRCでこんな事を聞かれた。
「将軍、ちょっと東方をやったんだがゲームとしては面白かったけど、
同人誌とかニコとか、あんなに人気出てる理由がわからん、教えてくれ」
俺は答えた
「知らん、俺は東方に触る気がしない」
その後、東方の魅力がわからない人間同士で2〜3時間話し合ったが不毛だった。


ある日、友達と飲みに行ってこんな事を言われた
「最近東方ハマってんだけど、将軍は東方は触ってないもんねぇ」
俺は答えた
「うん、嫌いだからね」
そう、俺は全く東方に魅力を感じていない人間だ。


そんなこんなで先日こんな記事を見た


【二次創作を認める動きがあってもいい】
http://anond.hatelabo.jp/20080510160331
【二次フリーだから東方って人気になったんだろか】
http://d.hatena.ne.jp/tarou00/


これを読んで何故人気が出て、何故俺は東方に魅力を感じないのか考えてみた。




<ジャンルがSTG&音楽>
東方というのは同人STGである。
だが、それだけではない。音楽が良いのだ。
という事らしいが、この2つは俺にはちょっと遠い存在だ。
STGは別に嫌いではないが、飛びつくほど好きと言うわけではないし、
音楽に到っては日頃から「俺に音楽の良し悪しは判断できない」と公言している。
ニコ動でよくMADの素材となっているようだが、
東方のはネタ系ってイメージがあるため、ほとんど見ない。
俺は、ああいうのは好みじゃないのだ。
AMV系って言えば良いのか?真面目なのが好きなので。


そういう訳で俺には理解しづらい物2つが主軸。
中々手をつける気がしないとなっても仕方ないだろう。
こういう人は他にも多数居ると思う。


だが、東方は今や一大ジャンルである。それは同人ゲームとしてだけではない。
言っては悪いかもしれないが、同人ゲーム(STG)と同人音楽をメインに活動、
またはターゲットにしている人は少数派だろう。やはり大きいのは同人誌。
そして、同人誌になるのにゲーム性や音楽性はあまり関係ないだろう。
人気があるのはもっと違う要素があるのだ。


<世界観とかが凄いらしいけど、どうなの?>
東方の魅力について友人と話し合った時に、
「世界観とかが凄いらしいんだよ」という話題になった。
良質なテキストと練りこまれた世界観が後押しをして人気が出たのならば納得。
そう思いWIKIとかを見たりネットで検索したりしたが、正直そんな情報は見つからない。
何故だ・・・と思っていたが、その疑問を上記の記事が晴らしてくれた。


まず驚いたのは

キャラ設定がほとんど皆無

という事だろう。
そう、調べても出てくるはずないのだ、設定がないのだから。
元々STGにそこまで凄い設定とかがあるほうがおかしいのだから、当然といえば当然だ。
つまり、魅力的なキャラクターのおかげで人気が出たわけではないという事。


では、世界観はどうだろう?
これにも俺は首を傾げてしまう。
そこまで練りこまれている設定だろうか?
友人にゲームに入っている設定集のテキストファイルを見せてもらったりもしたが、
正直、そこまで凄い設定、練りこまれた世界観、考えられた構成だとは到底思えなかった。
俺の個人的な意見だが、大多数の人間が唸るような物とは感じられなかったのだ。
別売りの設定資料集とかが凄いのかもしれないが、そっちは知らない。
だが、まとめサイトとか見る限り、そんなでもない感じがする。
設定が云々言われてたので俺があまりにも凄そうに想像してしまったせいかもしれない。
てっきり、こういうのがネットでも見つかるのかなって・・・


【世界の謎】
http://nazomoe.pun.jp/


【永遠神剣】
http://www38.atwiki.jp/eternity_sword/


設定といえば型月か戯言かの俺だが、そっちはWIKIが充実だから割愛。
元がSTGで同人なんだからそんなの求めるなよ・・・って話ではあるが、
あくまで「世界観とかが凄い」と聞いた俺が想像したのは、こんな感じの物だったという話。


<自由度の高さだったんだよ>
それでは何故ここまで人気が出たのか?
その答えが自由度の高さだったという訳だ。


作者が二次創作を認めている。
そしてキャラクター性が定まってないから、勝手に色々作れる。


作品とか作らない俺でも「二次創作を全面的に認めている」というのは凄い良いと思う。
作る側から見ると、更に素晴らしい事だろうし。
そして、そのおかげで発展してきたという面が大きいという。
ユーザーが自分達で切り開いて行ったのだ。
この2点を大きな要素として捉えられなかったのは、
俺がクリエイターではないからだろう。
なるほどなー。だからここまで大きくなったのか。
だが、ここに俺が「ここまで人気が出ているのに理解できない」原因がある。
あぁ、完全にこれだなって確信した。
何が原因か?
そう、俺は自他共に認める原作厨なのだ。
魅力的な原作、つまり一次創作物があってこそなのだ。


勿論、二次創作だって好きだ。同人という世界にいて二次創作を否定するのは本当に少数派だろう。
だけど、俺が好きな二次創作というのはあくまで「魅力的な一次創作物をより楽しむため」の物。
俺には「何かを作るための媒体としての魅力」は必要ないのだ。
キャラクターに余白があり、手軽に創作作品を発表できたとしても、プラスにはならない。
特に余白の部分をマイナスとして捉えてしまっているのは大きい。
何故なら、余白にどれだけ素晴らしい物を描いたとしても、それは一次創作ではないからだ。
完全に個人的な感情なのだが、どうしても越えられない壁がそこにはある。


<結論>
STGに興味が無い。
音楽の良し悪しを判断できない。
キャラクター設定が無い。
設定が薄っぺらいとまでは言わないが、練りこまれてはいない。
俺は原作厨だ。


料理に例えたとすれば、
材料を揃え、調理をし、盛り付けて完成するところまでプロにやって欲しいのだ。
その料理に対して何か手を加える分には良いのだ。
醤油かソースかマヨネーズをかけるのか、いやいや塩だろう、どうやっても良い。
だけど、料理が完成するところまでは作って欲しいのだ。
材料だけ揃えて、「好きに作っていいよー」というのは、俺の肌には合わない。
さらにその材料が魅力的ではない上に、特に好きでもない物なら、尚更だ。