漫画のWEB有料配信ねぇ&感想73

ちょっと古い話だけどさ、
ブラックジャックによろしく」の作者がさ、
出版社通さないで漫画をWEBに掲載&販売するとかいうのしようとしてるけど、
一漫画好きとしてね、正直無理があると思うんだよね。
ブラよろの作者が無理って言うんじゃなくて、出版社から離れてのWEB有料配信っていう形態がね。


まずWEB配信のに金を出すのかって事だけど
単行本を買う事には勿論、作品を読みたいってのもあるけど所有欲みたいなものを満たす意味もあるんだよね。
本棚にずらっと並んでるの好きなんだ、コレクションじゃないけどさ。
漫画をよく買う人にはそういうのが少しはあると思う。
俺にはある、かなりある気がする。
電子媒体じゃそういう感覚は満たせないよ。
それに新作30円で旧作10円って言うけど、週刊誌のだと単行本は大体10話入ってるから300円でしょ。
だったら手元に残って500円のほうが良い。
それを出すかって言われたら俺は出さないね。


それに1年間しか読めないっていうのも、個人的には短いと思う。
「あーあの漫画を久しぶりに読みたくなったなぁ」なんてのは年単位の物だよ。
1ヶ月や2ヶ月の間に何回も読み直したくなるなんてことは、ほとんど無い。
多分、読み直したくなった時にはもう一度課金する必要が出てくると思うね。


さらにWEB有料配信ってのはライトユーザーって言うかわからないけど、そんなに漫画を好きじゃない人が離れると思う。
WEBで見るってことはプライベートな時間で無数にある選択肢の中から、
わざわざサイトにアクセスしてわざわざ金を払って漫画を読む事を選択させなきゃならないわけ。
漫画を買う人の中には電車の移動中とか出張中とか自由が制限された状態になった時に、
一時凌ぎの暇潰しで買う人とかも居るわけで、
そういう人達は自由な時間がある時は積極的に漫画は読まないと思うんだよね。
まぁ、携帯で見れるようにするんだろうけど、携帯で漫画を読む文化もそんなに普及してないだろうと思うしね。
それにWEBコミックって今あるのってバックナンバーは読めないけど基本無料なんだよね。
アニメ化されたヒャッコだって、超面白い村枝のジエンドだって、一部で話題になったキン肉マンレディだって無料。
ラインバレルの作者のサイトにある漫画なんて脳汁出まくりだけど勿論無料。
まぁ、あれは完全な趣味だろうけど、更新してくれないし。
その中で有料でのWEBコミックを読者はどう思うんだろうね。
今も有料で一般的に流通してる漫画を読めるってのあるみたいだけど、
そこに金を出す人は普通に本を買うんじゃないかなって思う。


それに出版社から離れてやってけるのかって疑問もあるよね。
ブラよろとか病院関係とかに取材とかする時に出版者の名前使ってるんじゃないの?って記事がどこかにあったけどさ、
個人で取材とか申し込んでOKしてくれるものなのかな。
取材とかそういう時に出版社って後ろ盾があると無いのじゃ随分違うよね。
まぁ、それなりに名が売れてればOKしてくれるのかもしれないけど。
他にも担当の人とかが色々調整してたんじゃないの?今までずっと一人で練ってきた話なの?って疑問もある。
そういう後ろ盾とかフォローがない個人でやってるのって結局同人と変わらないわけじゃん。
じゃぁ、同人ならどうなの?即売会で売ればいいんじゃね?ってなるとそれも難しいと思う。
エンターテイメント色が弱い作品は即売会じゃ難しいよね。
俺の勝手な感覚だけど、あそこに居る人間は社会風刺とかそういうのは求めてないと思うから。
細けぇことはいいんだよ!と、あとエロ入れろと。
ここら辺は一般一次創作がいつでも空いてる事からもわかる。
それにコミケになるとプロの人達が普通にサークルだしてるから珍しさもないしね。
あと一般の人なんて即売会来ないし。


雑誌が売れなくなってるし、違う形態での漫画のシステムをってのはわかるんだけど、
それだったら別に出版社を通さないでって事にはしなくて良いんじゃないかな。
現にWEBコミックは最近は光る物があると俺は思ってるよ。
先述した作品の他にもブレイクブレイドとかマジで面白いよね。
まぁ、編集部と揉めたりしてるから出版社から離れたいってのはわかるんですけどね。


職業として「漫画家」と名乗って、プロでやってくならやっぱり出版社の力は必要だと思う。
最近だと雷句誠とか綱島志朗とか編集部と揉めて移籍なんてのは他にも例があるわけで、
その中で移籍しつつも折り合いつけてやっていくんだと思う。
ヘタリアとかとなりの801ちゃんとか、
趣味のWEBサイトでやってたのが目に止まって本になって人気にってのとは話が違うよね。
読者としても良い漫画、面白い漫画を描ける土壌を作って欲しいとは思うんですけど、
そこは所詮は読者、作品には興味があっても作者にはそんなに興味ありませんからね。